なぜ乳がん術後に「運動」が必要なのか?
~がんばらない体づくりで、前を向くために~

乳がんの手術や治療を終えて、「やっと日常に戻れる」と思ったのに、体が思うように動かない。
疲れやすい、腕が上がらない、気分も晴れない…。
そんなもどかしさを感じていませんか?
実はこれらの症状は、治療の「あと」に多くの方が直面する自然な体の変化です。
ホルモン療法の影響で骨密度が低下したり、筋力や柔軟性が落ちたり、リンパ浮腫への不安から体を動かすこと自体が怖くなったりもします。
でも、そこで「動かない選択」をしてしまうと、体はどんどん硬く、弱くなってしまうのです。
ではどうすればよいのでしょうか?
答えは――「やさしい運動で、体を信じ直すこと」。
乳がん術後の体に必要なのは、ハードな運動ではありません。
深い呼吸をしながら、ゆっくりと自分の体に意識を向けること。
関節を小さく動かし、筋肉を穏やかに目覚めさせていくこと。そうした「整える運動」が、回復の第一歩になります。
研究でも、術後に適切な運動を取り入れることで、
- 再発リスクの軽減
- 疲労感やうつ症状の改善
- 骨粗しょう症や浮腫の予防
- 生活の質(QOL)の向上
など、数多くのメリットが確認されています。
私たちのスタジオでは、「乳がん術後」という特別な時期に寄り添うプログラムを提供しています。体の動きだけでなく、不安な気持ちにも耳を傾けながら、一緒に「今の体」と向き合う時間を大切にしています。
運動は、がんばるためのものではありません。
-- 前を向くための「準備」-- のようなもの。
そしてその準備は、決して一人でやらなくて大丈夫です。
あなたの体には、まだまだ可能性があります。
その可能性に、ゆっくり、静かに、手をのばしていきましょう。